【特 集】
「Medical Riceの示すコメの実力」
日本人がこめに抱く感情には特別のものがある。田植えから収穫にいたる四季折々の生活や祭りは瑞穂の国といわれいるように日本人の骨格をつくってきた。しかし、日本人は米を食べなくなっている。玄米の健康への効果は石塚左玄、二木謙三など食養生の実践から明らかだが、最近の研究は更に次元を異にした機能性を示し、病気の予防や治療にも役立ちそうである。また、ごはんの形以外にもパンやお菓子に加工されていく可能性も示された。
海外でもコメ輸出国筆頭のタイは高付加価値米の開発に熱心で日本の農業も見習いたい。地球温暖化や地球規模での人口増などを考えると、食の安全保障はコメをめぐる話になるであろう。CODEXのような国際協調を日本が主導することでMedical Riceの可能性を世界に広めることがのぞまれる。
【鼎談 】
「米機能性研究と将来」
大坪研一、吉橋忠、渡邊昌
目 次・・・1
病理最前線 植物病理最前線 木嶋利男・・・3
栄養学の礎を築いた人々 森林太郎・・・5
Editorial・・・6
鼎談 「米機能性研究と将来」
大坪研一 吉橋 忠 渡邉 昌・・・7
特 集「Medical Riceの示すコメの実力」・・・16
・アミロペクチン長鎖米(超硬質米)の特徴と利用について 大坪研一 中村澄子・・・17
・タイにおける高機能米の有機栽培農家への技術移転とプレミアム製品
Apichart Vanavichit, Patdcharee Tungtrakul・・・ 27
・アジアにおける米機能表示 E-Siong Tee・・・32
漢方薬と身近な植物(11)冬の養生法 田中耕一郎・・・36
食の随想 温故知食 「栄養学のスタート佐伯矩」 安曇 桃・・・40
原著論文
女子長距離陸上選手を対象とした疲労骨折のリスク評価法の検討
関根美季、河野 翔、松野紀枝子、菅原綾介、宮越雄一、矢野友啓、太田昌子・・・42
患者学のすすめ (その29)
公開講座「患者学」で学んだもの 加藤眞三・・・47
学会報告・・・50
墓銘碑 久司道夫 編集部・・・52
こんな低たんぱく食を待っていた(最終回) 藤木徳彦・・・53
編集委員と協賛企業・・・56
ISSN 1883-6658 禁無断転載・複写 定価800 円(税込)