Volume 2 Number 4(2010年8月)

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Volume 2Number 4
【特集】「炎症性腸疾患」

【特集】
「炎症性腸疾患」

腸管は栄養の吸収のみと思われてきたが腸脳―大脳相互作用がわかり新たな分野が広がっている。腸の感染症は赤痢や腸チフス、腸結核などの急性・慢性感染症が問題であったが、急性感染症の問題はO157 やサルモネラ感染症のように食中毒に移っている。また、最近は原因不明の過敏性大腸炎やクローン病、潰瘍性大腸炎などが増えている。

クローン病は発症年齢が若く長年苦しむことになる。腸疾患は食事のコントロールが重要であるが、個々の病院ではまれな疾患であり、食事療法の効果が十分には評価されていない。

また、腸内細菌叢との共生に関する研究は大幅に遅れている。腸内環境をもう一度考え直したい。

【鼎談】  
腸と健康「炎症性腸疾患と腸内細菌叢」
日比紀文、野本康二、渡邊昌

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【目次】

病理最前線
「スピロヘータは腸内細菌叢の常在菌か」 ・・・中村眞一

栄養学の礎を築いた人々「Claude Bernard」
Editorial 「日本にNIH を」

鼎談  腸と健康「炎症性腸疾患と腸内細菌叢」
日比紀文、野本康二、渡邊昌

特集「炎症性腸疾患」
・健康保持に働く腸管免疫と腸内細菌・・・藤田晢也
・腸管の急性感染症・・・岡部信彦、渡邊昌
・腸の免疫̶免疫寛容の破綻から炎症性腸疾患へ・・・金井隆典
・炎症性腸疾患を主とした食事療法・・・髙崎美幸

食の随想 温故知食「ブリア=サヴァランの美味学(2) 」・・・川端晶子

経管栄養今昔コラム「 竹筒からPEG (胃瘻)まで」  山下光雄
第10 回日本抗加齢医学会総会ハイライト
第53 回日本糖尿病学会年次学術集会ハイライト

患者学のすすめ(その2)・・・加藤眞三

管理栄養士のキャリアパスNo. 7 大草原の小さな町の病院で働く
グラス明美、笠岡( 坪山) 宜代

第53 回日本腎臓学会学術総会ハイライト・・・槇野博史
第55 回日本透析医学会学術集会レポート・・・平川あずさ
ヨーロッパの栄養士の活動《3》英国の地域性と社会性による健康状況・・・福田ふみ 
健康食品・サプリメントの安全性《3》利用方法が関係した健康障害
中西朋子、佐藤陽子、笠岡(坪山)宜代、梅垣敬三
テーラーメイド・ヌトリション《8》
「過敏性腸症候群、慢性炎症性腸疾患と経腸栄養」
柳沢素子、田中有季、渡邊昌


ISSN 1883-6658   禁無断転載・複写
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