Volume 2 Number 5(2010年10月)

【特集】がんとの闘い「ターミナルケアと予防」

Volume 2 Number 5
【特集】がんとの闘い「ターミナルケアと予防」

【特集】
がんとの闘い「ターミナルケアと予防-」

エコノミストという雑誌に世界の緩和ケアの点数評価が載り、日本は28 位ということで新聞に大きく報告された。医療技術は高くても、それへのアプローチの容易さ、コスト、「死の質」に関して満足な状態にない、ということからの評価である。実際、日本では末期に救急車で病院に運ばれると希望していなくても延命治療を受けることになり、8 割以上が病院での死になる。
「生活の質」を高める努力は多いが、「死の質」を高めるような緩和ケア、終末期医療を受けるチャンスはまだ少ない。緩和ケアの内容にしてもさまざまで国民的コンセンサスがあるとはいいがたい。

本号では緩和ケアで経験豊富な国立がんセンターのスタッフの方々と鼎談をしたが、それを受けて特集では病診連携や在宅ケアについて現場からの声をお届けする。終末期は嚥下困難にもなりやすく、食介護は重要な側面であるので別途取り扱うことにしたい。

がん死亡はトップの座を占め続けているが、がんに関しては予防に勝る治療なし、である。食習慣が大きく絡むがん予防の現状や可能性について世界的研究を進めているお二人の先生に原稿をお願いした。

【鼎談】
「がん緩和ケアと食事 ターミナルケアの未来を探る」
木下寛也、桑原節子、渡邊昌

2-5

【目次】

病理最前線「消化管のセロトニン」・・・ 藤宮峯子

栄養学の礎を築いた人々 「 Denis Parsons Burkitt」
Editorial 「健康・医療政策の新しい動き」

鼎談  「がん緩和ケアと食事 ターミナルケアの未来を探る」
木下寛也、桑原節子、渡邊昌

特集 がんとの闘い「ターミナルケアと予防」
・がん患者へのNST活動・・・桑原節子
・在宅医療の現場から・・・英裕雄
・食習慣改善によるがん予防・・・津金昌一郎
・食事でがん予防・・・ 西野輔翼

食の随想 温故知食「ブリア=サヴァランの美味学(3) 」・・・川端晶子

終末期医療の国際比較
David Praill、Lukas Radbruch、MR Rajagopal、Yingwei Wang

患者学のすすめ (その3)・・・加藤眞三

日本栄養改善学会ハイライト
管理栄養士のキャリアパスNo. 8 大草原の小さな町の病院で働く
グラス明美、笠岡( 坪山) 宜代

ヨーロッパの栄養士の活動《4》英国における管理栄養士養成の現状 (Part 1)・・・福田ふみ     

健康食品・サプリメントの安全性《4》話題の健康食品素材と危険情報
佐藤陽子、中西朋子、笠岡( 坪山)宜代、西山聡子、梅垣敬三

テーラーメイド・ヌトリション《9》
肥満に対するテーラーメイド医療としての食事療法
蒲原聖可、仲本桂子


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