日本栄養士会雑誌に「医と食」編集員の記事が掲載されました

10320587_393356920803057_971282661761734117_n日本栄養士会雑誌「JOURNAL OF JAPAN DIETETIC ASSOCIATION」 vol. 57 No. 5 の「管理栄養士の活動最前線」研究・教育のコーナーに、「医と食」編集員、平川あずさ(食生活ジャーナリスト・管理栄養士)の記事が掲載されました。

【公益社団法人 日本栄養士会
http://www.dietitian.or.jp/

 

 

 

 

 

掲載記事内容を見る

現場の栄養士さんに届けたい
~知の融合点を探り「統合知」を~
公益社団法人 生命科学振興会『医と食』編集部 平川あずさ

●病院栄養士時代に痛感した「情報」の必要性
私は、病院栄養士として規模の違う病院に3ヵ所勤めました。その際に、同じ栄養部であっても各学会の栄養療法ガイドラインなど最新の「情報」が平等に行き届いているわけではなく、届いていたとしても、その情報の扱い方には差があるということに気がつきました。病院の伝統や方針に左右されるとは思いますが、これは私たちの先にある栄養教育を受ける患者にとって大変な問題になるのではないかと思いました。
そこで、情報を発信する側に転じ、月刊『食生活』編集部へ入りました。

●現場は忙しい!だから「個人授業」
病院で働いている頃、黙々と膨大な仕事をこなし、いつも目を配ってくれる素晴らしい先輩方に出会いました。そんな先輩たちの「個人授業」を受けるような経験があり、それは今でも私の『宝物』です。編集部で企画を考える中、管理栄養士・栄養士(以下栄養士)を育てるための「個人授業」これを雑誌で連載したら、きっと忙しい現場の栄養士さんの力になれるのではないか、そう考えました。そして当時個人授業のつもりでお願いしますといって「食事摂取基準2005」や「栄養士のための略語解説」等の連載が実現しました。お世話になった先生方に本当に感謝申し上げます。

●専門以外のプラスαは「統合知」
現在は、『医と食』という雑誌を発刊しています。医師と栄養士が共通語で話せる機会をつくることができたらと元•国立健康栄養研究所理事長の渡邊昌先生主宰で創刊しました。最近のテーマは、従来の「糖尿病治療」や「機能性食品」、「患者学」に加え、ヒトはどれだけ食べれば生きていけるのか、「最低栄養必要量の研究」や「がんの自然治癒」など科学では証明されていない分野の内容も取り上げています。また『医と食』は、通常では分野の違う先生方同志でお話していただく機会はなかなかないところから、さまざまな分野の一流の先生にご登壇いただき、「知」の融合点を探り、「統合知」を創り上げるという取組みをしています。1人の患者を診るのに、「私の専門以外はわかりません」と言っていられない時代がきているからです。たとえ分からないとしても多職種連携が求められる、そこには多くの知識やコミュニケーション能力が必須です。患者に寄り添うこと、患者の物語を共感できる「こころ」も鍛えなければいけません。
この仕事に携わって、広い視野をもつことが本当に正しいことを見抜く力をつけることにも繋がるのだと知りました。日進月歩で動く科学と歩みをともにするためには、その情報が全体のどのくらいのレベルなのかということを疫学的思考でとらえ、自分の中で消化しておくことが大事だと思っています。

●栄養士の活躍がもっとマスコミに報道される世の中にしたい
現在「食生活ジャーナリストの会」に入り11年目になり、新聞や雑誌、フリーの編集者と横のつながりをもって勉強会を企画しています。多くのジャーナリストに栄養士の活動を報道してほしいので、『医と食』の編集を通して知り合った栄養士さんを取材してもらえるように紹介しています。栄養士の活躍の報道がふえれば、我々の励みになるばかりか国民の健康に寄与できるからです。
また、私自身は、昨年から「科学的根拠に基づく食情報を発信する消費者団体『FOOCOM.NET』」で管理栄養士として専門家コラムhttp://www.foocom.net/category/column/azusa/を依頼されました。過去に中国の華東病院栄養部における介護食導入の取組みを紹介した「食介護」や「低たんぱく食は高度医療である」を連載しています。
最近のマスコミ等に氾濫する「健康・食生活」情報は、「科学的ではあるけれども難しい」か「わかりやすいけれども非科学的」のどちらかであることが多いですね。今後、「科学的な情報をわかりやすく」提供することに、自分の知識や経験を活かし、一般の人々に栄養教育をする栄養士さんの力になれるよう、勉強し続けていきたいと思っています。