【特集】
「日本の栄養学教育の未来」
栄養士会の50周年はひとつの時代の転換期になるだろう。戦後60年間は如何に栄養不良を改善し、美味しい食を提供するか、ということに栄養士たちは努力を傾けてきた。学校や職場、地域での集団給食の実行が主業務だったのである。ところがバブル経済とともに、飽食、過食が問題となり、肥満に始まる生活習慣病の急増を招いた。また、これら患者に対しては栄養指導が適切にされなければ、薬剤の治療効果も上がらないことが明らかになってきた。このような事態に対処するため管理栄養士制度が生まれたが、養成校も病院も十分対応できる状態になっていない。また、日本の医学部には系統的に栄養学を教える講座がないことから、医学生は栄養学を学ばずに現場で働くことになる。本特集ではこのような観点から日本の栄養学教育に関して、海外との比較、養成校の問題、成果を上げてきた学校給食、高齢化社会への備え、など緊急の課題をとり上げた。
【鼎談】
「管理栄養士のこれから」
中村丁次、森田明美、武田英二
【目次】
栄養学の礎を築いた人々「佐伯 矩」
病理最前線「病理学の歴史から診断の重要性を見る」 長村義之
Editorial 栄養をめぐる世界の動き
鼎談「管理栄養士のこれから」 中村丁次、森田明美、武田英二
特集「日本の栄養学教育の未来」
管理栄養士の教育と社会 武田英二
世界の医学部における栄養学教育 奈良信雄
公衆栄養の立場から 大森豊緑
栄養教諭の立場から 金田雅代
病院栄養士の立場から 河原和枝
食の随想 温故知食「酢と熟鮓」 小泉武夫
在宅高齢者の食事と運動 遠藤慶子
アジア太平洋食品・健康安全会議に参加して 渡邊 昌
Asia Pacific Journal of Clinical Nutrition 最新号
医療と哲学 出浦照國
NR講座「消費者に健康食品のリスクを意識してもらうには」 西山聡子、梅垣敬三
健康増進・慢性疾患予防と治療に関する大豆の役割(2) マーク メシーナほか
テーラーメイド・ヌトリション さまざまな減量食 渡邊昌